東大 医学部 その1

東京大学の医学部といえば、言わずと知れた日本最難関の学部・学科である。毎年東大には3000人も入るが、医学部は100人ちょっとで、東大の中でも別世界と言われる頭脳が必要だ。

良く知った同級生に、東大医学部に進学した人間が4人いる。 彼らがどんな人物だったか、軽く紹介しようと思う。

一人目は、小学校で同じ塾に通った同級生。 中学受験を経験した自分は、6年生には二つの塾を掛け持ちしたが、その両方で同じクラスになった。

当時中学受験といえば最も権威があったのは四谷大塚で、四谷大塚定期テストといえば泣く子も黙る存在である。 四谷大塚で毎週日曜日に行われるテストは、上位100位だったかに入ると、全国に配布される結果に名前が掲載される。

受験戦争なんて世界が狭いもので、この四谷大塚定期テストで上位のさらに上位に入るのは、自分のような凡人には到達できない領域で、だいたいメンツも固定されている。そんなんで、こちらはいつしか名前も覚えてしまうものである。しかもこのあたりの成績優秀者はみんな結局東大に合格する(東大を志望すれば)。

彼もまた上位一桁とかそこらへんの常連で、結局小学生から大学受験まで受験エリートのまま理3に合格して医学部に行った。

ただ面白いのは、そんな受験エリートだが決して机にかじりつくガリ便のタイプではなく、塾が終わると同級生と肩を組みながら街で悪さをしたり、いつも他人をからかって遊ぶのが好きな奴だったこと。休み時間もたいていジャンプとか読んでたので、始終勉強に打ち込むタイプでは無かったと思う。みんなに"親分"と呼ばれ、典型的なガキ大将。

ところが高校時代に会った時には、随分身も心も落ち着いた感じで、ガキ大将の面影が薄くなっていたのが印象的でした。今は医師としても研究者としても立派にやっているようです。

ちなみに一度だけ塾内の小テストで自分が彼を上回り、点数順で席が並べられるシステムだったので彼を悔しがらせたことがある。よほど嬉しかったのか、今でも覚えている。