サラリーマン経営の時代は終わった

NECに引き続き、富士通がパソコン事業をレノボに統合 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22892340Q7A031C1TJ2000/

かつて日本を支えた大メーカーは揃って苦境に立っている。次々に入ってくるニュースは不景気なニュースばかり。

ところが一方で、今まさに元気なメーカーもある。トヨタキヤノンファナック村田製作所日本電産…これらの会社は、創業者かその一族が会社をコントロールしている。 つまり、カリスマ経営者が、会社の成長戦略とか大型買収を、経営者が自らの判断でスピーディーに行えて、権力が強固なためにトップダウンで方針が行き届きやすいのが、生き馬の目を抜く今の時代に必要なのだろう。

それに比べて、一時はグローバル化することで年毎に売り上げを伸ばして、成長を続けてきた大企業がどうしてこうなってしまったのか?

サラリーマン経営者がコントロールする企業の欠点は明確で、そういった企業のマネージャは、ほとんどがジェネラリストで占められている。彼らの仕事は、組織が大きな問題を起こさないようチェックをすることであり、また部下の仕事が円滑に回るようにすることだ。治世はこれで良かった。製品に足りない機能を追加し、小型化し、コストダウンすれば驚くほど会社が伸びた。

管理・オペレーションの仕事を地道に行いながら、昇進するテクニックを駆使して昇りつめてきた役員達が、これまた同じような人間を引き上げて一派を作る。 結果的に、高度な専門性を持ち、自分で会社が進むべき道を決めるような人は、ほとんど会社の経営には参加していない事態に陥る。 今の日本のほとんどの大企業では、取締役も社員も含めて皆が自分の日々のルーチンワークをこなすことだけ考えていて、そうでないこと、例えば新しいビジネスを作るとか、革新的な技術開発だとか、企業改革は誰かがやってくれると思っている。 これを集合依存と言う。つまり、強い個が欠落した烏合の衆。

こうなると、上から下まで完全に乱世を突破する力を持っている人がいなくなって、イノベーションを起こすどころか、イノベーションのアイデアまでも踏みつぶしてしまうような組織になる。

だから、サラリーマン経営者達は会社を削りながら延命することしか出来ない。

これからは、スペシャリストが経営を担う組織でないと戦えない。